社員の幸福と自己実現を後押しする山鈴運輸。「居心地がいい会社」ならではの課題に向き合う

眞行寺伸明さん眞行寺伸明さんは、1988年から34年間に渡って山鈴運輸に勤務している大ベテラン

1975年に創業し、約50年間千葉市みつわ地区で創業を続けてきた山鈴運輸株式会社。眞行寺伸明さんは、1988年から34年間に渡って山鈴運輸に勤務し、会社の成長を見つめ続けてきました。

周囲の住民と良好な関係を維持しつつ、長きにわたりこの場所でトラック運送業を続けてきた山鈴運輸の前に、今「世代交代」という大きな壁が立ちふさがっています。社員の意思を尊重し、安定して働ける会社であるからこそ、社歴の長い社員が多く、ドライバーの高齢化は深刻です。

現在は配車業務を担当しながらドライバーをまとめ、宍倉社長を支えるベテラン社員、眞行寺さんに、山鈴運輸への想いと今後の課題について伺いました。

 

トラックアイコン入社以来34年、山鈴運輸とともに成長


ー眞行寺さんは、どういった経緯で山鈴運輸に入社されたのですか?
私はもともと山鈴運輸のある千葉市若葉区から車で40分ほど東にある東金市で生まれ育ち、20歳前後で上京しました。長距離トラックの運転手になりたかったので、東京で運送業者に就職しました。その後30歳ぐらいのとき、知り合いから声を掛けてもらって千葉に帰ってきて、山鈴運輸に入社したという経緯です。昭和63(1988)年から、34年ほどここで働いています。

あの頃の運送業は過積載などの違法運行が常態化していて、自分も限界を感じていたところ、まだ発展途上ではありますが、違法運行をせず、かつ歩合制で稼ぎたいだけ稼げる山鈴運輸に魅力を感じたんです。

自分が入社した当時は山鈴はまだ発展途上で、古いトラックが10台しかありませんでした。それがバブルの追い風もあり、どんどん業績を伸ばし、トラックも10台からあっという間に60,70台と増えていきましたね。うちは社歴の長い社員が多いので、私が入社した頃からずっといる社員も多くいます。その後、時代の流れとともに長距離ではなく海外コンテナなどの運送にシフトし、給与も固定制になり、安定していきました。

ー現在はどのような仕事を担当されていますか?
今は、事務所内で配車業務を担当しています。当社の主な業務は海上コンテナのトレーラー輸送なので、荷揚げされたコンテナの運送を各ドライバーに割り当てるのですが、燃料や運送距離などを考えつつ、上手に配車するのがなかなか難しいところです。

仕事風景

ーそんな眞行寺さんに、山鈴運輸の社長である宍倉さんより、次のようなメッセージをいただいています。

眞行寺さんへ

眞行寺さんは、所長として非常に頼もしく思っています。眞行寺さんが事務所にいてくれるから、私は安心して事務所外の業務ができるんです。人となりも明るいので、居てくれるだけで会社全体の雰囲気が明るくなります。私一人では実現が難しいような事案でも、眞行寺さんと話をすると、困難を乗り越えて会社を良くしていこうという前向きな気持ちになれますし、一緒に頑張れば実現できるような気持ちになります。それくらい頼りになる所長です。

配車係として、運転手から文句をいわれたり、愚痴を聞くことも多いかと思います。しかし彼は嫌な顔ひとつせずに、それを受けとめてくれています。常に会社を良くしていこうとしてくれる姿勢に感謝していますし、眞行寺さんがいなければ成し遂げられないことも多いでしょう。それぐらい信用しているので、これからも一緒に、会社を良い方へ変えていきたいと思っています。

懇親旅行時の集合写真懇親旅行時の集合写真

 

トラックアイコン固定給制で人生設計が立てやすい反面、運送業ならではの課題も満載


ー眞行寺さんのように社歴が長い社員が多いのは、山鈴運輸にどんな魅力があるからでしょうか?
そうですね、居心地がいいんですよ。給料の話だけでいえば、うちよりも稼げる運送業者はあるでしょう。しかし、当社は給料に対して拘束時間が少ない。トラック運転手なので朝は早いですが、繁忙期でなければ朝6時から始まり、午後2時には終業できます。それに、以前は歩合制でしたが、今は固定給制度に変わりました。

これは運送業者では珍しく、多くのドライバーは、収入が運んだ荷物の量に左右されてしまうため、生活が不安定になりがちです。しかし当社では固定給なので、荷物が少ない時期でも安定して生活でき、人生計画も立てやすいでしょう。自分の時間や家族と過ごす時間を大切にする方には、本当にいい環境だと思います。

ー逆に、山鈴運輸が今乗り越えるべき課題はどんなことだと思いますか?
課題は大きく分けて2つあると思います。一つは近隣住民との良好な関係作りを継続していくこと。もう一つは、どこの運送業者でも同じかもしれませんが、世代交代、若い人材確保の問題です。大型トラックが出入りするので、どうしても周辺にお住まいの方にはご迷惑がかかります。しかも当社は住宅街の中にあります。朝早くから稼働しているので、住民の方は朝6時から大型トラックが家の前を通ることをがまんしなければなりません。

がまんを強いていることは重々承知しているので、せめてもの心遣いとして定期的に近隣の方を集めてお話を聞く機会を設けています。希望者をお誘いしてゴルフで交流を深めることもあります。どうしても迷惑をかけてしまうので、今後もより誠意をもって対応を続けていかなければならないでしょう。

そして、もう一つが若いドライバーの確保です。当社は社歴が長い社員が多いとお話ししましたが、逆に言うとみな、年齢を重ねています。60代、70代ばかりで、一番若い社員も40代です。若い方でドライバーになる方には、安定的に働きたいというより、短期間でできるだけ稼ぎたいという方が多い。すると、当社のように固定給で安定志向の給与体系だと物足りなくて、結局他に移ってしまうんです。長くいるにはいい環境なのですが、より多く稼ぎたい、短期間で稼ぎたいという方には向かないのでしょうね。世代交代、若いドライバーの確保は、当社の一番の課題でしょう。

トラックアイコン山鈴運輸は社員の意思を尊重し、挑戦を後押ししてくれる会社


ー眞行寺さんにとって、山鈴運輸はどんな魅力を持っている会社ですか?
そうですね、まずは「居心地のいい会社」だと思います。それでいて、とても楽しい会社です。私はもともと、ただの長距離ドライバーで、自分が将来どうしたいかなんて全然考えたことがありませんでした。

山鈴運輸に入ってからも、しばらくは長距離運転業務ばかり担当していました。しかし、歳を重ねるにつれて体が辛くなってきたころ、倉庫業務に異動になったんです。そこで心機一転、新しいお客様との関係もできました。また、倉庫業務で必要なクレーンの免許も会社負担で取得させてもらいました。そのうち事務所業務に入れといわれて、次は運行管理者資格を取得させていただきました。

自分一人だったら、歳を重ねて体が辛くなっても、ずっと長距離運転をしていたかもしれません。ここにいたからこそ、クレーン免許や運行管理者資格にチャレンジさせてもらえたんです。自分が現場から事務所に入るなんて思ってもみませんでした。山鈴運輸は、仕事の幅を広げる機会を与えてくれる会社だと思います。

生活を安定させつつ、自分の時間を確保したいと考えている方にも、自分をもっと高めてできることを増やしたい方にも、山鈴運輸はとてもいい環境になるでしょう。若いドライバーの成長を支え、山鈴運輸を良い方向へ変えていく。これが今後の会社の課題であり、私の課題でもあると思っています。

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